毎年、夏になると時計をつけたまま海やプールに入り、
その結果、時計の中に水が入ったので修理を依頼したいという方がいらっしゃいます。
有名なロレックスは、時計をつけて海に入り、
世界で初めて浸水することなくドーバー海峡を泳いで渡ったという
伝説的な素晴らしい実話があります。
これを真似てというわけではないと思いますが、定期メンテナンスを怠り、
水中に潜り、時計が浸水してしまったという方は、残念ながら一定数いらっしゃいます。
時計が防水が強いダイバーズモデルだから大丈夫だろうという考えは、
新品の時計や、まだ新品に近い時計でしたら通用すると思いますが、
5年以上メンテナンスしていない時計や、ご使用環境が悪い方の場合では、
ダイバーズモデルであっても浸水することがあります。
水の浸水に関しては、どの時計のメーカーであれ、
基本的には保証というのはつくことはありません。
修理に関しても浸水による不具合・故障では保証で対応されません。
ちょっとひどい話だなと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
私たち時計修理業者である千年堂には、
毎年、海やプールに入り、時計内部の浸水による修理相談が一定数あるということを考えると、
使用年数が長く経過している時計や、メンテナンスをしていない時計は、
例えダイバーズウォッチであっても
水辺や湿気の多い環境でのご使用は極力控えたほうがよいと考えています。
形見の時計であればなおさらです。
一般的にご使用年数が経つにつれて、
ケースやリューズ、プッシュボタン周りなどの外装部に歪みや隙間が生じてきますので、
防水も低下していきやすくなります。
パッキンを交換すればなんとかなるのではないかと思われる方もいらっしゃいますが、
うまくいかないケースも多々あります。
当社ではお見積もり時、問題がなければ防水検査をした上でお見積りをご案内しております。
その時点で防水エラーが判明した場合は、お見積りにも記載させていただいております。
パッキン交換、オーバーホールを行い、防水が回復するケースもありますが、
修理後も防水エラーとなる場合の方が多いです。
防水が利かない場合は、今後は汗・水・湿気等に気をつけてご使用いただくしかありません。
完全に防水を回復させたいという場合は、
メーカーによるケース交換を含む修理となります。
(ケース交換となると非常に高額になるケースが多いです。)
夏場に多い時計の浸水故障ですが、
心配な方は水辺や水周りでは極力、時計を着用しないことをおすすめします。