時計を正しくお使いいただくには、日頃から磁気には気をつけなければいけません。
磁気は身近なところにあるのであなたが知らないところで影響をうけトラブルが発生してしまうことも。
前回の記事で、時計のトラブルの大きな原因である磁気についてお話し磁気帯びの脱磁などもあわせて紹介させていただきました。
今回はもうちょっと掘り下げて磁気を使う時の注意点について解説していこうと思います。
磁気は時計のトラブルの大きな原因
●磁気の影響をうけるとどうなる?
時計は磁気の影響を受けると、精度が悪くなり正しい時間を刻めなくなります。
時間が進んだり遅れたり。それらは磁気帯びによるものである可能性が高いです。
●日常にひそむ磁気の影響
現代の生活の中では、磁気を発する電子機器が数多くあります。
身近なものとしては、テレビや、スピーカー、スマートフォン、携帯電話、ノートパソコンなどがあります。
これらは磁気を発するものであり、時計を近づけると磁気の影響を受けてしまします。
ここでは特に気をつけていただきたい行動を3つご紹介します!
(1)時計をつけてノートパソコンで仕事するビジネスマンの方は腕時計をつけながらノートパソコンで仕事をしている人も多いと思います。
それ自体はよくある一般的な光景ですが、ノートパソコンは磁気を発しているため時計と密着すると時計が磁気の影響を受けてしまうことがあります。
(2)鞄の中のマグネットに近い場所にいれる
鞄に付いているマグネットホックも強い磁気を発しているので注意が必要です。
とくに鞄の内ポケットなどはマグネットの留め具が近い場所にあるため影響を受けてしまいやすいです。
(3)車のダッシュボードの上に置く
意外なところでは、車のダッシュボードも磁気を発しています。
ダッシュボードの中には電子機器が入っています。車の運転の休憩時に腕時計をちょっと外してダッシュボードの上に置いたりすると、磁気の影響を受けてしまうこともあるので注意しましょう。
上記のようなケースは本当によく起こります。
無意識につい行ってしまいがちな行動ばかりなので、これらの行動が磁気帯びの危険性があることをまず知っておいていただきたいです。
磁気を発するものからは時計を遠ざけてご使用・保管するように日頃から注意していただくことが時計を長く使う上で重要となってきます。
時計をどこで購入したかで精度が違うことを知ってますか?
そんな普段の身の回りのものから磁気の影響を受けやすい時計ですが、じつは機械式時計は地球の磁場の影響も受けて動きを変化しています。(クオーツ時計は地球の磁場の影響は受けません)
アジアの日本と、有名時計ブランドが多いヨーロッパでは磁界の強さが異なります。日本はヨーロッパよりも磁界が弱いです。
時計はその磁界の中で調整されているので、時計の使用場所が変われば、精度も変わってくることになります。
そのため時計を購入する際、どこで時計を購入したかで精度にも違いが生まれます。
並行輸入品や海外で購入した時計は注意
並行輸入品の時計や、海外で購入した時計をそのまま日本に持ち帰った場合、日本で精度調整されてなければその時計の針はズレたままとなりいつまでも正確に時間を刻めません。
前述したとおり日本と海外で磁界の強さが違うためです。
これを直すにはテンプとよばれる時計の心臓部の調整が必要となってきます。
まとめ
このように時計は磁気にとても弱く、悪影響をうけやすい繊細な機械製品です。
あなたが無造作にとる行動で知らずしらずの内に時計に悪影響を及ぼしている可能性があります。
ご自分の時計に磁気帯びなど何らかの支障が起きていないか気になっている方は毎日決まった時間に時計を確認してみるのをお勧めします。
そしてもし時計に異変を感じたら、一度時計修理のプロにご相談ください。